呟きたい

主にタイトルが示していることをしたい。色々妄想しながら、ここに自分が考えてることをぶち込めたい。よろしく

反応と予測

つい昨日、俺は絶対には存在しない人について書かせていてもらっていたが、今日も同じだ。


君は「フォレスト ガンプ」という映画は聞いたことはあるだろうか?欧米ではとても有名で、日本でもそうだったと思う。主人公の人生を振り返り、感動をさせる映画だ。彼は鈍感で、いつもバカと言われて、頭の回転が遅い人だった。深く考えはできず、ただほかの人の命令や願望にこたえて生きていく人だ。それなのに彼の人生は充実していて、好きな人もできていた。彼はやがてその人と結婚する。災難に彼女はHIVからなくなってしまう。最後のシーンでは フォレスト ガンプ が自分の息子が学校に行くのを見送っている。


まあ、大体の話が分かったところで聞く。HIVはゲイ差別を始めたのだろうか。初めてHIVがアメリカで回った時(昭和五十六年)、「4Hのウイルス」というあだ名がつけられていた。それは、感染者のグループを示していて、ホモセクシュアル、ヘロインを打つ人、血友病人とハイチ人の四体だった。そのころHIVはその四体に限って多く感染されていた。だが時間がたつと、ホモセクシュアルの感染者が急増した。そしてアメリカの新聞では「ゲイ病」や「ゲイ病には気をつけろ」という題名が書かれていた。その題名はゲイ差別を始めたのだろうか。


たぶんそれはないだろう。実際にゲイ差別は千年前からある。ただ、今みたいに人が行動をとって差別をするわけではなく、法律で差別を絶対にしていたのだ。少なくともHIVはゲイ差別の炎に木を添えていた。ゲイ差別を行う人はゲイを嫌う理由を求めていた。そしてちょうどいいタイミングにその理由が現れた。だから、そう差別が急増した。これは根本的に人間の性質だと思う。人に悲劇が起これば、その悲劇を誰かの、あるいは団体の、せいにしたいと思う。何かの行動をしたくなる。


世間でもそうだ。つい最近起きた「ジョージ フロイド」の殺人の影響で、黒人差別への反対意見やプロテストが増している。別に黒人差別は今始まったばかりのことではなく、はるかに前の時から白人は差別をしてきた。でも、殺人の悲劇があるから黒人差別に反する意見を持つ人が今わめいている。これはとても人間的で、さらに根本的に考えると人間は反応的ともいえる。人間は自分の環境に反応して生きていく。おなかがすいたら食事をする、地震が起きたら地震からの保護の対策を工夫する、悲劇が起きたらそれに応じて良くも悪くも行動をとる。では、その反対はどうなのだろう。予測的な人間はどうなのだろう?


おなかがすくのを予想して食事をする、地震が起きるのを予想して地震からの保護の対策を工夫する、悲劇が起こるのを予想して行動をとる。どれも人間的ではない。おなかがすかないと食事をする意味がない、地震が起きないと地震からの保護をする意味がない、悲劇が起こらないと行動する意味もない。人間は理由がないと動かない生物なのかもしれない。


フォレスト ガンプはまさに反応的な人間だった。誰かの行動に反応し、母や大切な人から教わったことや願望を用いて行動をする人だった。彼は普通の人間ではないように、映画ではみられる。でも彼が一番反応的だ。だから彼は一番人間的なのかもしれない。そうなると、普通の人間は人間からほど遠い存在だと感じてくる。


実際はその逆だ。人間は予測的に動くように苦労していて、動物は反応的に動く。ただ俺はフォレスト ガンプが一番人間的な存在であって、われらが人間から遠い存在だという考え方が面白くて気にってるだけだ。伊坂幸太郎さんの「陽気なギャングは地球を回す」でも書かれていた。「彼はどう考えているかわからない。あるいは、すべての出来事がお見通しなのかもな。」と。それは自閉症である少年の父親が言う言葉だ。

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